サービスサイトの動画、BtoB596社を調べたら載せているのは27%、サービスページは4%

サービスサイトに動画を置きたいけれど、トップかサービスページか決めきれない。そんなBtoBのマーケティング担当者に向けて、596社のサイトを調べて分かった動画の置き場所・種類・長さ・載せ方をまとめました。
自社のサービスサイトに、動画は載っていますか?
「そろそろ動画を作ろう」と社内で話が出ても、どこに何を置けばいいのか決めきれない。そんな方も多いのではないでしょうか。
ムジンにも、よくこんな相談が届きます。「動画はトップに置くべきですか?それともサービスページですか?」。
私たちも、すぐには答えられませんでした。
制作会社の事例集を見ると、どの会社も動画を使っているように見えます。ただ、それが全体のうちどれくらいなのかは、どこにも書かれていません。
そこで、BtoB企業の公式サイトを実際に開いて数えました。業種の分かる725社を選び、そのうち596社のサイトで、トップページ、サービスページ、導入事例ページの動画を1つずつ拾っています。YouTubeの動画146本は、サムネイルと題名を目で見て種類を分けました。

596社って、どんな会社なんですか?大企業ばかりとか?

素材・化学の製造業から建設、IT、人材まで、幅広い業種にまたがっています。

同じ業種の会社と比べることもできるんですね。

はい。20社以上を調べられた業種は、業種ごとの割合も出しています。
この記事の要旨
- 1
動画を載せる会社は27%、うち半分は背景映像だけでした。
- 2
動画はトップに集中し、サービスページは4%だけです。
- 3
説明の動画は、7割の会社がYouTubeの埋め込みで置いています。
サービスサイトに動画を載せている会社は27%

まずは素朴な疑問からです。サービスサイトに動画を載せている会社は、どれくらいあるのでしょうか。
596社のうち、サイトのどこかに動画を載せていたのは163社(27.3%)でした。4社に1社強です。
思っていたより少ない数字です。さらに中身を見ると、意外なことが分かりました。
動画には2つの種類がありました。
1つは、トップの背景で音を出さずに流れ続ける映像です。オフィスや工場の風景、抽象的な動きのある映像などで、見る人が再生ボタンを押すことはありません。
もう1つは、再生ボタンを押して見てもらう説明の動画です。サービス紹介、会社紹介、操作の説明、セミナー録画などがこちらに入ります。
163社を2つに分けたのが、次の図です。

背景映像だけの会社が82社、再生して見せる動画を載せている会社が81社でした。ほぼ半々です。
「動画を使っている会社は多い」という印象の半分は、背景映像でした。
背景映像は見た目の印象を整えてくれますが、サービスの中身までは伝えません。仕組みや導入後の姿を伝えたいなら、再生して見てもらう動画が要ります。それを置いている会社は、まだ7社に1社ほどです。
業種で見ると、差ははっきり分かれた
では、業種による違いはあるのでしょうか。20社以上を調べられた業種の結果を、次の表にまとめました。

割合が高かったのは、素材・化学・金属の製造業(27社中11社、40.7%)と建設・工事(38社中14社、36.8%)です。印刷も20社中7社(35.0%)と高めでした。
ただ、印刷で再生して見せる動画を載せていたのは2社だけで、多くは最初の画面の背景映像でした。建設・工事(38社中10社、26.3%)や、機械・電機・輸送機器の製造業(53社中14社、26.4%)も、最初の画面に動画を置く会社が目立ちます。
再生して見せる動画の割合で見ると、素材・化学・金属の製造業(37.0%)、建設・工事(21.1%)、食品・化粧品・アパレルの製造業(20.0%)、人材・教育(18.6%)が上位でした。製造業は製品の使い方や工場の様子を、人材・教育は研修やセミナーの一部を動画で見せていました。
反対に低かったのは、マーケ・コンサル・BPO(59社中10社、16.9%)と、エンタメ・出版・イベント(25社中2社、8.0%)です。
自社の業種の割合が低いなら、動画はそれだけで差をつける手段になります。割合が高い業種なら、勝負どころはその先です。背景映像だけでなく、サービスページにまで説明の動画を置けているかどうかで差がつきます。

載せている会社は、どのページに置いているんですか?

149社がトップページでした。サービスページは485社中21社です。

えっ、サービスページってそんなに少ないんですか?

はい。再生して見せる動画に限ると、14社まで減ります。
ホームページの動画の置き場所はトップに集中している

動画がどのページにあるかを見ると、トップページに大きく偏っていました。次の図を見てください。

トップページに動画がある会社は149社(25.0%)でした。
一方、サービスページを取得できた485社のうち、そこに動画があったのは21社(4.3%)です。再生して見せる動画に限ると、14社(2.9%)まで下がります。
事例ページも同じでした。取得できた276社のうち、動画があったのは12社(4.3%)です。再生して見せる動画は6社(2.2%)でした。
再生して見せる動画177本で数え直しても、トップが138本、サービスページが31本、事例ページが9本です。トップの一人勝ちが目立ちます。
ただ、サービスページは、比較検討の段階にいる人が機能や導入の流れを確かめに来るページです。トップより読む人の目的がはっきりしていて、説明の動画がいちばん役に立つのは、本来ここです。
置いている会社の選び方も参考になります。サービスページにあった動画は、サービス・製品紹介が22本、会社紹介・ブランド映像・CMが6本、操作の説明が1本、判別できないものが2本でした。サービスページでは、会社の紹介よりそのサービスの紹介動画が選ばれています。
最初の画面の動画は、ほぼ背景映像
トップの最初の画面はどうでしょうか。ブラウザで横1440×縦900の画面に描画して確かめました。
画面の15%以上を占める動画を最初の画面に置いていたのは、93社(15.6%)です。動画を載せている163社のうち、6割近くが最初の画面に動画を使っていました。
ただし、そのうち89社は音の出ない自動再生の背景映像でした。背景映像以外の動画を最初の画面に置いていたのは、たった4社です。
最初の画面では会社の第一印象をつくり、説明はその下や別のページに任せる。そうした使い分けが多数派でした。
背景映像の長さも見ておきます。長さが分かった106本の真ん中の値は20秒でした。30秒以下が80本、31〜60秒が23本、61秒〜2分が3本で、2分を超えるものはありません。短い映像を何度も繰り返す作りです。
背景映像は読み込みが重くなりやすく、スマートフォンでは自動再生されないこともあります。最初の画面に動画を置くなら、映像がなくても伝わるキャッチコピーを先に決めておきましょう。映像はそれを補う役にとどめるのが安全です。

置くとしたら、どんな動画が多いんですか?やっぱり会社紹介?

サービス紹介と会社紹介が、ほぼ同じ数で並んでいました。

お客さんのインタビュー動画は?

177本のうち、導入事例の動画は4本だけでした。
動画の種類はサービス紹介と会社紹介が中心

再生して見せる動画177本を、種類で分けてみました。次の図を見てください。

サービス・製品紹介が55本、会社紹介・ブランド映像・CMが54本です。この2つで109本、全体の6割を占めました。
その下に、操作・使い方の説明が10本、セミナー・ウェビナー・対談の録画が9本、解説・ノウハウ番組が8本と続きます。導入事例のインタビュー動画は、4本しか見つかりませんでした。
会社単位でも見ておきます。再生して見せる動画を載せている81社のうち、会社紹介・ブランド映像・CMを置いているのが35社、サービス・製品紹介を置いているのが27社でした。596社全体で見ると、サービス紹介の動画を載せている会社は27社(4.5%)です。
導入事例の動画が少ないのは、撮影に顧客の協力が要り、作るまでの手間が大きいからだと考えられます。事例ページを取得できた276社でも、動画を置いていたのは12社だけでした。事例は文章と写真で伝える会社がほとんどです。
実写が7割、アニメーションは16%
表現の違いも見てみます。目で確かめたYouTube動画146本は、実写が107本(73.3%)、アニメーション・CGが24本(16.4%)でした。スライドや画面の収録は7本、判別できないものが8本です。
サービス・製品紹介の52本に限っても、実写が36本、アニメーション・CGが12本、スライド・画面が3本でした。
実写が多いのは、製品のように撮れるモノがある会社ほど動画を載せているからです。素材・化学・金属の製造業の掲載率が4割を超えていたのは、先ほど見たとおりです。
逆に、形のないサービスを売る会社は動画が少なめでした。IT・ソフトウェアは62社中16社(25.8%)が動画を載せていましたが、再生して見せる動画に限ると5社(8.1%)です。マーケ・コンサル・BPOも59社中5社(8.5%)でした。
撮るモノがない商材ほど動画を作りにくく、そのぶん載せている会社も少ないと私たちは見ています。今回の調査で、いちばんもったいないと感じたところです。
▼サービス紹介動画の作り方は、こちらの記事で詳しく書いています。
サービス紹介動画の作り方|企画から公開までの工程・期間・尺の決め方
長さはサービス紹介で1分40秒前後
最後に長さです。YouTubeとVimeoの埋め込み動画のうち、長さが分かった143本の分布を次の図にまとめました。

143本の真ん中の値は104秒、1分44秒です。2分以内が77本(53.8%)でしたが、10分を超えるものも14本あり、30秒以下から10分超まで幅広く散らばっていました。
種類ごとに分けると、違いが見えてきます。サービス・製品紹介52本の真ん中の値は103秒で、1分40秒前後でした。会社紹介・ブランド映像・CMの50本は77秒で、1分20秒ほどです。操作・使い方の説明10本は48秒と短く、セミナー・ウェビナー・対談の録画9本は147秒と長めになります。
背景映像の真ん中の値は20秒だったので、役割によって長さがはっきり違うことが分かります。
YouTube埋め込みとサイト直置きの使い分け

動画をサイトにどう置いているかも調べました。YouTubeに上げて埋め込むのか、サイトにファイルを直接置くのか、という違いです。次の図を見てください。

再生して見せる動画を載せている81社のうち、57社(70.4%)はYouTubeの埋め込みだけを使っていました。
サイトに動画ファイルを直接置いているのは15社です。YouTubeと直置きの併用が3社、Vimeoだけが4社、ほかの配信サービスが2社でした。動画の本数で見ても、177本のうち146本(82.5%)がYouTubeです。
一方、背景映像はサイトに直接置いた動画ファイルで、139本ありました。この調査では、サイトに直接置かれ、音を消して再生ボタンを出さない動画を背景映像として数えています。
つまり、こういう使い分けです。音を出さずに繰り返す映像は、サイトに直接置く。再生して見てもらう説明の動画は、YouTubeに上げて埋め込む。
YouTubeに上げておけば、サイトが重くならず、同じ動画を営業資料やメールからも共有できます。
ここで、もう1つ気になる数字がありました。フッターなどにYouTubeチャンネルへのリンクを置いている会社は161社(27.0%)あり、そのうち128社は、サイト上では再生して見せる動画を載せていませんでした。
チャンネルには動画があるのに、サイトの説明の流れの中には置かれていない。そうした会社がこれほど多いのは予想外でした。
動画を埋め込まず、YouTube動画へのリンクだけを置いている会社も25社(4.2%)ありました。
チャンネルにある1本を、サービスページに埋め込むだけでも始められます。

結局、うちは何から手をつければいいんですか?

まずは、いまサイトにある動画を2種類に分けて数えてみてください。

新しく作るのは、そのあとでいいんですね。

はい。足りないのがサービスページの1本なら、そこから作りましょう。
明日の1本をこう置く

では、最初の1本はどこに、どんな形で置けばいいのでしょうか。
ここまでの数字を並べると、答えはかなりはっきりしています。動画を載せる会社の多くはトップの背景映像で止まっていて、サービスページに説明の動画を置いている会社は485社中14社しかありませんでした。
置くなら、いちばん売りたいサービスのページです。中身は、そのサービスの紹介動画を1本。サービス紹介の動画は真ん中の値で103秒なので、1分半から2分弱を目安にすると、他社の動画と比べても長すぎません。
置き方はYouTubeの埋め込みで十分です。チャンネルにすでに動画がある会社なら、新しく作る前に、今ある1本を埋め込むところから始められます。
載せる前のチェック手順
- 自社サイトの動画を「背景映像」と「再生して見せる動画」に分けて棚卸しする
- いちばん売りたいサービスのページに、そのサービスの紹介動画が1本あるかを確かめる
- YouTubeチャンネルの動画のうち、サービスの説明に使えるものをサービスページに埋め込む
- 新しく作るなら、サービス紹介は1分半から2分弱、操作の説明は1分以内を目安にする
- 形のないサービスは、仕組みを図で動かすアニメーションを候補に入れる
- 説明の動画はYouTubeに上げて埋め込み、営業資料やメールでも同じURLを使う
- トップの最初の画面は、映像なしでも伝わるキャッチコピーを先に決める
- 最初の画面の背景映像は、20〜30秒程度の短い映像を繰り返す作りにする
- 導入事例ページに、顧客の声を短く切り出した動画を置けないか検討する
- 同業の上位数社のサイトで、動画の置き場所と種類を確かめる
よくある質問
BtoB企業のサービスサイトで、動画を載せている会社はどれくらいですか?
ムジンが調べた596社では、163社(27.3%)でした。そのうち半分は音の出ない背景映像だけで、説明の動画を載せていたのは81社(13.6%)です。
動画はトップページとサービスページのどちらに置くべきですか?
サービスの中身を伝えたいなら、サービスページです。置いている会社はトップが149社(25.0%)、サービスページは485社中21社(4.3%)なので、サービスページに置けば同業の中で目立てます。
動画はYouTubeの埋め込みと、サイトへの直置きのどちらがいいですか?
説明の動画はYouTubeの埋め込みが多数派で、81社中57社(70.4%)がこの形でした。背景映像はサイトに直接置く形が中心で、139本見つかっています。
まとめ
今回いちばんの発見は、動画を載せている会社の多くがトップに置いていて、サービスページにはほとんど置かれていなかったことです。
最後に、要点をもう一度だけ並べます。
- 動画を載せる会社は596社中163社(27.3%)で、その半分は背景映像だけでした。
- サービスページに動画があったのは485社中21社(4.3%)で、説明の動画に限ると14社です。
- 説明の動画は、81社中57社(70.4%)がYouTubeの埋め込みで置いていました。
まずは、いちばん売りたいサービスのページを開いてみてください。そこに説明の動画が1本あるかどうか。そこから始めれば十分です。
ムジンは、サービスサイトのURLをお送りいただくだけで、サービスページに置ける60〜90秒のサービス紹介アニメーションを制作しています。発注前に御社のサイトから作った無料サンプルをお送りしているので、まずは仕上がりをご覧ください。サービス紹介アニメーション制作の詳細を見る
調査の方法
- 対象は、業種とドメインが分かる法人向けの会社です。業種ごとに最大70社を無作為に選んだ725社のうち、サイトを取得できた596社を集計しました。
- 調査日は2026年11月3日です。
- 1社につき、トップページ、トップからリンクされたサービス(製品)ページ1枚、導入事例ページ1枚を取得しました。サービスページは485社、事例ページは276社で取得できました。
- HTMLから、YouTube・Vimeoなどの埋め込み、videoタグ、動画ファイルへの参照、YouTube動画へのリンクを拾いました。サイトに直接置かれ、音を消して再生ボタンを出さない動画を背景映像として数えています。
- 最初の画面は、横1440×縦900の画面に描画し、動画の枠が画面の15%以上を占めるものを数えました。
- 動画の種類は、YouTubeの埋め込み146本をサムネイルと題名を目で見て分類し、残りの31本は題名と周りの見出し・ファイル名から分類しました。
- 長さは、YouTubeとVimeoは公開ページの情報から、サイトに直接置かれた動画はファイルの情報から取りました。長さが分かった埋め込み143本と背景映像106本で集計しています。
- 全体の傾向を見るための集計で、調べた会社の社名やサイトの画面は掲載していません。
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