メルマガの開封率が下がる本当の理由|件名よりリストを見直す

開封率が下がり続け、件名を変えても戻らないと悩むBtoBのメルマガ担当者へ。受信メルマガ2,447通と迷惑メール688通を受け取る側から数えて分かった、開封率が下がる理由と手を入れる順番をお伝えします。
メルマガの開封率、じわじわ下がっていませんか?
件名を変えてみても戻らない。「開封率を上げる件名を考えて」と言われて、手が止まっている方も多いのではないでしょうか。
実は、ムジンもメルマガを送る側として、同じところで悩んできました。
そこで一度、立場を逆にしてみました。送る側の管理画面ではなく、受け取る側の受信箱を開いたのです。
受け取る側としてのムジンは、メルマガをほとんど開いていませんでした。ラベル「メルマガ」の未読は40,863件です。
改めて、受け取る側から数え直しました。BtoBのマーケティング・営業支援の分野を中心に、1か月に179社から届いたメルマガ2,447通と、30日間で迷惑メールフォルダに入った688通です。
この記事では、受け取る側から見た「開封率が下がる理由」と、送る側が手を入れる順番をお伝えします。

受け取る側から見ると、何が分かるんですか?

迷惑メールに入ったメールも、配信ツールでは届いた数に入ります。その中身は、受け取る側でしか見えません。

なるほど。じゃあ、先に結論から教えてください。
この記事の要旨
- 1
件名の作法は各社ほぼ同じで、件名だけでは目立ちません。
- 2
読まれないメールは、やがて迷惑メールに移ります。
- 3
開封率を守る第一歩は、送る相手を見直すことです。
件名の工夫は、もう横並びです

最初に見たのは件名です。開封率が落ちたとき、まず疑われるのが件名だからです。
2,447通の件名を数えると、各社の作法はほとんど同じでした。

半数以上の54.6%が【】で囲んでいます。28.0%は疑問形で終わります。
長さは中央値36字で、31〜50字が48%を占めました。件名に絵文字を入れているのは、2.0%だけです。
てっきり、各社がもっと違う工夫を競っていると思っていたのですが、違いました。どの会社も同じ型で、同じように慎重に書いています。
届く時間も、ほぼそろっていました
しかも、届くタイミングまで似ています。
平日には、1日平均112通のメルマガが届きました。水曜と木曜は124通で最も多くなります。
時刻では、始業直後の8〜9時台に32.2%が集中していました。
同じ時間に、同じ型の件名がずらりと並びます。受信箱の一覧で、自社の件名だけを目立たせるのは難しくなります。
件名を変えて試すなら、比べる相手は、同じリストに送った過去の回にしてください。送り先や時期が違う回と比べると、件名以外の違いが混ざってしまいます。
▼件名の型や配信時刻の詳しい数字は、こちらの記事で詳しく書いています
BtoBメルマガ2,447通を全件調査|件名・配信時間・文字数・ボタンの実態

でも件名のほかに、開封率を動かすものってあるんですか?

あります。そもそも受信トレイに届いているかどうかです。

届いていない、なんてことがあるんですか?

受け取る側で数えると、30日で688通が迷惑メールフォルダに入っていました。
開かれないメールは、迷惑メールへ移る

迷惑メールフォルダに入ったメールは、まず開かれません。
それでも送った側から見ると、届いたことになっている場合がほとんどです。開封率だけが、静かに下がっていきます。
2026年8月6日から9月5日の30日間に、迷惑メールフォルダへ入ったメールを全件調べました。688通、送信者は89です。
Gmailは、振り分けた理由を画面に表示します。いちばん多かったのは「以前迷惑メールと判断されたメールに類似しています」で、571通(69送信者)でした。
送信元の認証は、ほぼ合格していました
てっきり、送信元の設定に問題があるメールばかりだと思っていました。
ところが、外部の送信者30件を調べると、28件がSPFに合格していました。SPFは、送信元のサーバーが正規のものかを確かめる仕組みです。
設定は正しいのに、迷惑メールに入る。では、何が分かれ目だったのでしょうか。
最初は、受信トレイに届いていました
送信者ごとに受信の履歴をさかのぼると、同じ流れが何度も出てきました。

たとえば、受信トレイに17通届いて開かれたのは1通だけ、その後に届いた13通はすべて迷惑メールフォルダへ、という流れです。
受信トレイに届いた直近50通のうち46通が未読のまま、その後の66通が迷惑メールフォルダに入った例もありました。
読まれないまま積み重なったメールが、ある日から迷惑メールに移っていきます。
一度落ちると、まず拾われません
もう1つ、ひやっとした数字があります。
迷惑メールフォルダの688通のうち、開かれていたのは6通だけでした。

受け取る側がわざわざ迷惑メールフォルダを見に行き、受信トレイへ戻してくれる。そんな期待は、ほとんどできません。ムジン自身も、まさにそうでした。
読者は、メルマガを仕分けています

受け取る側の整理のしかたも、開封率に効いてきます。
ムジン自身のメールのフィルタも数えました。

フィルタは676本ありました。そのうち660本が「受信トレイをスキップ」する設定です。
655本は、ラベル「メルマガ」を付けて、別の場所にまとめていました。
つまり、メルマガの多くは、届いた瞬間には目に入りません。読む人が自分でラベルを開いたときにだけ、読まれます。
未読40,863件は、その結果です。
仕分けても、迷惑メール判定は上書きされません
意外だったのは、フィルタと迷惑メールの関係です。
フィルタでラベルを付けていても、Gmailの迷惑メール判定のほうが優先されます。フィルタがあった20送信者の123通も、迷惑メールフォルダに入っていました。
フィルタに「迷惑メールにしない」の設定がなかったためです。受け取る側が自分の意思で仕分けていても、読まれていなければ、Gmailは迷惑メールに寄せていきます。
ここからはムジンの見立てです。メルマガを多く受け取る担当者ほど、こうした仕分けをしていると考えています。
そうなると、件名を磨いても、一覧に並ぶ瞬間がそもそも来ません。送る側にできるのは、仕分けた先でもわざわざ開きたくなる相手に送ることです。

送る相手を減らしたら、数が減って困りませんか?

Gmailの基準は、送った数より、嫌がられた割合を見ています。

割合、ですか?

迷惑メールとして報告された割合です。上限は0.3%と決まっています。
Gmailが見ているのは、読者の反応

GoogleはGmail宛ての送信者に、2024年2月1日から要件を課しています。出典は、Gmailヘルプの「メール送信者のガイドライン」です。
すべての送信者に、Postmaster Toolsで報告される迷惑メール率を0.3%未満に保つことを求めています。
Postmaster Toolsは、Googleが送信者向けに無料で出している計測ツールです。自社のドメインから送ったメールの迷惑メール率を、日ごとに確かめられます。
0.3%は、1,000通に3件の報告です。1日5,000件以上を送る送信者には、0.10%未満を保つことも推奨されています。

米国のYahooも、同じ2024年2月から送信者に要件を課しました。送信者向けのページ「Sender Best Practices」でも、迷惑メール率は0.3%未満とされています。
報告は、受け取った人が報告のボタンを押したときに付きます。読まない人に送り続けるほど、押される機会は増えていきます。
自社の数字は、登録しないと見えません
ムジン自身、Postmaster Toolsに登録して初めて気づいたことがあります。
自社の送信ドメインのSPFの成功率が、記録のあるすべての日で0.00%でした。設定が壊れたまま、社内のメールを送り続けていたのです。
2026年9月6日に、SPF・DKIM・DMARCの3つとも直しました。送る側として、かなり恥ずかしい発見です。
迷惑メール率も認証の成功率も、Googleが出している数字です。配信ツールの画面を眺めているだけでは、なかなか気づけません。
▼迷惑メールに入る仕組みとGmailの要件は、こちらの記事で詳しく書いています
メルマガが迷惑メールに入る原因と対策|Gmailの送信者ガイドライン対応
その開封率、人が開いていますか

開封率という数字そのものにも、注意が要ります。
開封は多くの場合、メールの中の見えない小さな画像が読み込まれたかどうかで数えています。
人が読まなくても、画像が読み込まれれば開封になります。逆に、画像を表示しない設定の人が読んでも、開封には数えられません。
受け取る側の設定や仕組みが変わるだけで、開封率は上がったり下がったりします。
だから開封率は、クリック数や申込などその先の行動と並べて見るのがおすすめです。
開封率だけが下がって、クリックが変わらない。そんなときは、人の反応ではなく数え方の側が動いているのかもしれません。

結局、明日から何をすればいいんですか?

土台から順番です。まず数字を見えるようにして、次に送る相手を整えます。

件名の見直しは、後回しでいいんですか?

はい。届いていなければ、読まれませんから。
開封率を上げる、手を入れる順番

ここまでの結果から、手を入れる場所を土台から順に並べました。件名の見直しは最後です。
- 送信ドメインをPostmaster Toolsに登録します。迷惑メール率と認証の成功率を、日ごとに見られるようになります。
- SPF・DKIM・DMARCを点検します。ムジンのように、気づかないまま壊れていることがあります。
- 配信停止を簡単にします。本文のわかりやすい場所にリンクを置き、ワンクリックで解除できるようにします。解除ならリストから1人減るだけですが、報告されると迷惑メール率が上がります。
- 長く反応のない相手を、全体への配信から外します。開封だけでなく、クリックの有無も見て決めます。
- 新しく取り込む相手は、全体リストに入れる前に、届かないアドレスと過去の配信停止者を落とします。最初の1通では、なぜ届いたのかと配信停止の方法を伝えます。
- 開封率は、同じリストに送った過去の回と比べます。あわせて、クリックやその先の行動も報告します。
- 最後に、件名と本文を見直します。
全部を一度にやる必要はありません。 まずは1と2だけでも、今週中に試してみませんか。
あわせて、手元の運用を次の項目で点検してみてください。
- 開封率を、送り先のリストごとに分けて集計している
- 比べる相手は、同じリストの過去の回にしている
- 迷惑メール率を、週に1回は見ている
- 長く反応のない読者を、全体リストとは別に扱っている
よくある質問
メルマガの開封率の平均はどのくらいですか?
公開されている調査を並べると、おおむね20%台半ばから30%前後です。

BtoBのメルマガ担当者103名への調査(IDEATECH、2022年12月)では22%、Benchmark Emailの全業種平均(2026年版)は25.54%、同じくITサービスは28.16%、Mailchimpのビジネス・金融(2023年12月更新)は31.35%でした。ただ、開封率は送り先と数え方で大きく変わるので、他社の平均とはそのまま比べられません。開封は画像の読み込みで数えるため、受け取る側の設定でも数字が動きます。自社の判断には、同じリストに送った過去の回と比べるのが確かです。
件名を工夫すれば開封率は上がりますか?
件名だけで大きく上げるのは難しいと考えています。受信したBtoBメルマガ2,447通では、54.6%が件名を【】で囲み、絵文字は2.0%と、作法がほぼそろっていました。件名より先に、届いているか、送る相手が合っているかを確かめてください。
開封率が急に下がったら、最初に何を見ればよいですか?
最初に見るのは、Postmaster Toolsの迷惑メール率と認証の成功率です。Gmailのガイドラインでは、迷惑メール率は0.3%未満が求められています。ムジン自身も、ここで自社のSPFの成功率が0.00%だと知りました。
まとめ
受け取る側の受信箱を数えてみると、開封率が下がる理由は、件名の外にありました。
最後に、要点をもう一度だけ並べます。
- 件名の作法は各社ほぼ同じで、件名だけでは差がつきにくい状態です。
- 読まれないメールは、やがて迷惑メールに移り、ほとんど開かれません。
- Gmailが見ているのは受け取った人の反応で、迷惑メール率は0.3%未満が求められます。
件名をいくら磨いても、届いていなければ開かれません。
まずは明日、送信ドメインをPostmaster Toolsに登録してみてください。次に開封率が落ちたとき、原因をすぐに確かめられます。
ムジンでは、配信リストの見直しから送信ドメインの点検、配信設計の見直しまでを支援しています。開封率の低下が気になる方は、メールマーケティング支援のページからご相談ください。
調査の方法
- 一般的な開封率の数字は、IDEATECH「【2022年度】BtoB企業のCRM実態調査」(BtoBのメルマガ担当者103名)、Benchmark Email「メルマガ平均開封率レポート【2026年版】」、Mailchimp「Email Marketing Benchmarks」(2023年12月更新)によります。
- 受信メルマガは、BtoBのマーケティング・営業支援の分野を中心に、2026年8月22日から9月22日の32日間に179社から届いたメルマガ2,447通を全件集計しました。
- 迷惑メールは、2026年8月6日から9月5日に迷惑メールフォルダへ入った688通(送信者89)を全件調べ、Gmailが表示した振り分けの理由と、送信者ごとの受信の履歴を確かめました。
- 送信元の認証は、外部の送信者30件について確かめました。
- Gmailの要件はGmailヘルプの「メール送信者のガイドライン」で、Yahooの要件は送信者向けページ「Sender Best Practices」で確かめました。
- 全体の傾向を見るための集計で、差出企業の社名や件名・本文の実物は掲載していません。
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