メルマガのネタ切れを防ぐ方法|1つの素材から7本つくる展開のしかた

毎週のメルマガで「今週は何を送るか」に詰まる、BtoBのマーケティング担当者向けの記事です。受信655件と他社のセミナー案内から、混んでいるネタと空いている件名、1つのセミナーを7本のメールに分ける方法が分かります。
メルマガのネタ、毎週すんなり決まっていますか?
セミナーの告知を出し終えた翌週の月曜。「今週は何を送ろう」と手が止まる方も多いのではないでしょうか。
実はムジンも同じでした。毎週メルマガを作っているのに、ネタが決まらず午前中が終わった日が何度もあります。
ネタ探しの記事を読むと、「季節のイベント」「スタッフ紹介」といった例は見つかります。でも、BtoBの受信箱に実際に何が届いていて、どこが混んでいるのか。そこはどこにも書いてありませんでした。
そこで、数えてみました。
BtoBのマーケティング・営業支援の分野を中心に、1か月に届いたメルマガから、案内されているセミナー・資料・記事・リリースを1件ずつ取り出しています。あわせて、セミナー案内の件名の型と、1つの企画を何通にも分けて送るメールの使い方も数えました。

ネタって、結局はひらめきとセンスじゃないんですか?

届いた案内を数えると、ネタの半分以上は同じ種類でした。

え、みんな同じものを送っているんですか?

はい。違いが出ていたのは、その切り分け方です。
この記事の要旨
- 1
受信箱のネタは半分以上がセミナーで、その3割がAIの話です。
- 2
事例企業名を前に出す件名は、480通の8.8%だけでした。
- 3
1つのセミナーは、7本前後のメールに分けて使えます。
BtoBの受信箱には何が届く?

BtoBのマーケティング・営業支援の分野を中心に、2026年10月の1か月に届いたメルマガから、案内を1件ずつ取り出しました。合計655件、配信元は328社です。1通に複数の案内が載っているときは、案内ごとに数えています。
どんな中身が多いのか、次の図を見てください。

セミナーが370件で、56.5%を占めています。
資料(ホワイトペーパー)は22.7%、ブログやコラムなどの記事は16.2%です。プレスリリースは4.6%しかありません。
ここまでセミナーが多いとは、思っていませんでした。
以前にBtoBメルマガ2,447通を調べたときも、目的の60.5%がセミナーの告知やアーカイブでした。時期を変えて数え直しても、主役はセミナーのままです。
一方で、同じ調査で事例紹介を目的にしたメールは2.9%だけでした。事例は、まだほとんどの会社が主役にしていないネタです。
資料や記事は、セミナーの合間を埋める2番手として使われています。ネタの種類を無理に増やすより、手元の主力を分けるほうが早道です。

セミナーが多いのは分かりました。何の話が多いんですか?

3通に1通が、AIの話です。

やっぱり。じゃあ、うちもAIで送ればいいですよね?

そこは、受信箱の混み具合を見てから決めましょう。
AIのセミナーは3通に1通

10月のセミナー370件のうち、題名にAI・生成AI・AIエージェントといった言葉が入っていたのは113件でした。
割合にすると30.5%です。
期間を広げて、2026年7月下旬から10月下旬に届いた34社134通の題名も数えました。次の図です。

AIが37.3%で、ほかの中身を引き離しています。
続くのは、成果や規模の数字を入れた題名で29.1%。複数社の登壇を打ち出した題名が26.9%です。
意外だったのは、アーカイブや再配信を前に出した題名が17.2%もあったことです。1回開いたセミナーを、録画で何度も案内し直しています。
資料はAIより「そのまま使える道具」
資料のほうは、少し事情が違いました。
資料149件のテーマを、題名の言葉で数えました。次の図を見てください。

最も多かったのは、テンプレートやチェックシート、比較表のようなそのまま使える道具で、20.8%です。AIを扱う資料は13.4%で、セミナーほどAIに寄っていません。
調査レポートは9.4%、事例集は4.0%でした。
AIは読み手の関心が高いテーマです。ただ、受信箱では一番混んでいるテーマでもあります。
AIという言葉だけで目を引こうとしても、隣のメールも同じ言葉を使っています。では、混んでいない件名はどこにあるのでしょうか。
▼セミナーのテーマや業種の割合は、こちらの記事で毎月まとめています。
マーケティングセミナー・ウェビナー動向|業種・テーマ・共催の割合を毎月集計
混んでいない件名はどれ?

次は、中身ではなく件名の作り方で見てみます。
ムジンは毎週、届いたセミナー集客メールを件名の型に分けて数えています。2026年10月31日時点で、累計480通です。
件名の型は、言い回しの骨組みで分けたものです。「テーマ提示型」は扱うテーマを言い切る件名、「事例企業型」は登壇企業や事例企業の名前を前に出す件名を指します。
次の図を見てください。

最も多いのはテーマ提示型で、41.7%でした。問いかけ型が19.2%で続きます。
テーマを言い切る件名が、5通に2通です。受信箱で隣に並ぶのも、たいてい同じ形の件名です。
事例企業名の件名は1割に届かない
事例をネタにした件名は、まだ少数派でした。
事例企業名を前に出した件名は8.8%です。成果の数字を前に出した件名は、さらに少なく4.6%でした。
事例は誰もが欲しがるネタなのに、件名に使っているメールは1割もありません。
ムジンの見立てはこうです。テーマを言い切る件名が並ぶ中で、企業名が入った件名は、それだけで隣と違って見えます。
AIを扱う回でも同じです。業種や業務まで件名で絞ると、同じAIの案内の中で「自分の業界の話だ」と気づいてもらいやすくなります。
反応は自社の配信で確かめる
どの件名が押されたかは、自社の配信の数字で確かめます。
おすすめは、同じ企画の中で、企業名を出す件名とテーマを言い切る件名の両方を送ってみることです。比べるときは、同じ月に送ったメールどうしにします。
社名を件名に出してよいかは、登壇をお願いする段階で確認しておきましょう。そうしておくと、企業名で送れる回が増えます。

件名のコツは分かりました。でも、送るネタそのものが足りないんです。

1つのセミナーから、7本前後は作れます。

同じセミナーを何度も送ったら、しつこくないですか?

件名に出す中身を毎回変えれば、別のメールとして届きます。
1つのセミナーから7本つくる

ネタが尽きるのは、1つの企画を1通で使い切ってしまうからではないか。
そう考えて、届いたセミナーの案内を、開催日と題名で企画ごとに結びつけてみました(45企画)。次の図を見てください。

1企画あたりの配信は平均2.8本でした。1本だけで終わる企画が47%と、半分近くを占めています。
1本で終わらせると、講演の中身も、開催後の録画も、案内しないまま使い残してしまいます。
そこでムジンは、講演1本ずつを1つのネタとして数える作り方を勧めています。
次の図は、5社が25分ずつ話す共催セミナーを素材にした、ムジンの架空の配信計画です。

7本とも、素材から使う部分が違います。
1本目の初報は企画全体を見せ、登壇社数と業種を件名に出します。2本目と3本目は、講演を1本ずつ切り出します。件名には講演のテーマより、業種と登壇企業名を前に出します。
4本目は、当日の朝のリマインドです。
開催後は、形を変えて3本送ります。アーカイブ、5講演の要点をまとめた資料、申込時のアンケートの集計です。
登壇企業の許可が取れれば、講演の内容を事例メールにして、もう1本作れます。
自社のデータもネタになる
自社が持っている数字は、他社がまねできないネタです。
セミナーの申込時に聞いたアンケートを集計するだけで、調査レポートのメールが1本できます。資料の中で調査レポートは9.4%と少数でした。手間がかかる分、出せば受信箱で目立ちます。

ネタは増えそうです。本文は毎回同じ作りでいいですか?

目的ごとに、真ん中の作りがかなり違いました。

文字数とか画像の数まで変えるんですか?

はい。資料の案内は画像7点、アポ打診は1点です。
明日からやってみる手順

次の企画で試すなら、この順番がおすすめです。
- 次のセミナーを講演1本ずつに分けて、ネタの数を数えます。
- 初報の件名に、登壇社数と対象の業種を入れます。
- AIがテーマなら、業種か業務で対象を絞ります。
- 事例を扱う回は、件名に企業名を出す版も作ります。
- 登壇企業に、件名で社名を出してよいかを先に確認します。
- 開催後のアーカイブ・資料・アンケート集計まで、配信計画に入れます。
- 同じ企画の中で、件名に出す中身を毎回変えます。
本文は目的ごとに作りを変える
件名が決まったら、本文の作りも目的ごとに変えます。
受信調査で目的を目で見て分けた820通から、目的ごとの中央値をまとめたのが次の表です。

セミナー告知は、1,226字・画像3点・ボタン3つが真ん中の作りです。冒頭の数行で「誰向けで、何社が何を話すか」を言い切ります。
資料の案内は980字と最も短く、画像は7点と最も多い作りでした。読ませるより、表紙や中身の見本を見せて押させているんです。本文では目次を3〜5行で並べ、何が分かるかを伝えます。
調査レポートは、ボタンが1つです。宛名を入れたのは13%でした。結果の数字を2〜3個本文に書き、続きは資料で、と誘導します。
アーカイブ配信は、宛名を入れたメールが42%と高めでした。申込者へのお礼を兼ねるからだと思います。「当日参加できなかった方へ」と対象を書き、視聴期限を添えましょう。
目立ったのはアポ打診です。画像1点、ボタン1つ、宛名47%と、ほかとは作りがまったく違いました。
メルマガの体裁をやめて、個人からの手紙に見せる型です。申込者や資料の請求者へ送る2通目以降に向いています。
よくある質問
メルマガのネタが尽きたらどうすればいいですか?
1つのセミナーを、7本前後のメールに分けて数えてください。届いたセミナーの案内では、1本だけで終わる企画が47%でした。講演の切り出し、アーカイブ、資料、アンケート集計まで数えると、7本前後になります。
AIをテーマにしたメールは、もう遅いですか?
遅くはありませんが、AIという言葉だけでは埋もれます。10月に届いたセミナー案内の30.5%が、題名にAIを入れていました。業種や業務で対象を絞って、隣のメールと違う件名にします。
件名には、事例企業名と成果の数字のどちらを出すべきですか?
どちらもまだ少数派なので、両方を試す価値があります。セミナー集客メール480通のうち、事例企業名を前に出した件名は8.8%、成果の数字は4.6%でした。同じ企画の中で両方を送り、自社の配信で比べてください。
まとめ
受信箱のネタは、半分以上がセミナーでした。そして、ネタ切れの多くは1つの企画を1通で使い切ってしまうことから起きています。
1つのセミナーは、講演1本ずつ数えれば7本前後のメールになります。
最後に、要点をもう一度だけ並べます。
- 受信箱の案内は56.5%がセミナーで、その30.5%がAIの話です。
- 事例企業名の件名は8.8%、成果の数字の件名は4.6%と、まだ空いています。
- 1つの企画は、告知・リマインド・アーカイブ・資料・アンケート集計に分けて7本前後にできます。
まずは次のセミナーを講演1本ずつに分けて、何本のメールになるか数えてみてください。思ったより多くのネタが、すでに手元にあるはずです。
ムジンは、こうしたメルマガの調査をもとに、ネタの洗い出しから配信計画、文面づくり、配信後の分析までを代行しています。1つの企画を何本に分けられるか知りたい方は、メール配信支援をご覧ください。
調査の方法
- 届く案内の内訳は、BtoBのマーケティング・営業支援の分野を中心に、2026年10月1日〜31日に届いたメルマガから案内ごとに取り出した655件(配信元328社)を、種別で数えました。
- セミナー集客メールの題名は、2026年7月25日〜10月24日に届いた34社134通を、題名と件名に含まれる言葉で数えました。
- 件名の型は、ムジンが毎週続けているセミナー集客メールの仕分けの累計480通(2026年10月31日時点)です。
- 1企画あたりの配信本数は、2026年8月20日〜10月20日に開催されたセミナーと届いたメールを、送り主の会社と題名で結びつけた45企画で数えました。
- 目的ごとの本文の作りは、BtoBメルマガの受信調査で目的を目で見て分けた820通の中央値です。
- 配信計画の表と件名の例は、すべてムジンが作った架空の例です。
- 全体の傾向を見るための集計で、差出企業の社名や件名・本文の実物は掲載していません。
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