BtoBイベントの開催実態|会場開催111件と展示会98展で見る形式・曜日・開催地

会場でセミナーや交流会を開くか、迷っていませんか。年末までの会場開催111件と展示会98展を数え、他社がどんな形式で、どこで何曜日の何時に開き、どう集客しているのかをまとめました。
会場で交流会やセミナーを開くとき、他社がいつ・どこで開いているか、調べたことはありますか?
オンラインのセミナーなら、告知が毎日のように届くので相場の見当がつきます。ところが会場で開くイベントについては、まとまった数字がほとんど見当たりません。
ムジンでは、BtoBのセミナーや交流会の企画と集客を手伝っています。
交流会を企画するとき、まず気になるのが「他社は何曜日の何時に始めているか」です。ところが、すぐに答えられる数字はありませんでした。
展示会に出るか、自社で交流会を開くか。決める前に相場を知りたい、という声もよく聞きます。
そこで、年末までに開かれるBtoBのセミナー告知930件を読み直し、会場で開くものを1件ずつ確かめました。形式、開催地、曜日と時間、集客の進み方まで、会場イベントの今の相場をまとめます。

会場のイベントって、最近また増えているんじゃないですか?

形式が分かる告知786件のうち、会場開催は14.4%でした。

思ったより少ないですね。わざわざ会場で開く意味はあるんですか?

そこが今回の発見です。答えは「交流」にありました。
この記事の要旨
- 1
会場開催は告知の14.4%。8割超はオンラインです
- 2
会場の4割は交流会付き。交流会は夕方開始が7割
- 3
製造・建築・食品の接点は、展示会に集まります
会場で開くイベントは14.4%です

まずは調べた範囲からです。BtoBのマーケティング・営業支援の分野を中心に、各社から届いたメルマガと企業サイトに載ったセミナー告知を集めています。
その中から、2026年10月1日から12月31日に開催される930件を対象にしました。会場・地名・交流会などの記載がある149件は、1件ずつ読んで形式や開催地を判定しています。
結果は、オンラインと読み取れた告知が673件、会場開催と確認できた告知が113件でした。次の図を見てください。

形式が分かる786件を分母にすると、会場開催は14.4%です。
会場に戻る会社はもっと多いと思っていたので、意外な少なさでした。
会場とオンラインを両方使うハイブリッドも、わずか6件でした。会場で開くイベントのほとんどは、会場だけで開かれています。
メルマガ全体で見ても、会場開催は少数派です。8〜9月に届いたBtoBメルマガ483通を1通ずつ分けたときも、展示会・リアルイベントの告知は20通(4.1%)でした。
▼受信メルマガ全体の内訳は、こちらの記事で詳しく書いています
BtoBメルマガ2,447通を全件調査|件名・配信時間・文字数・ボタンの実態
オンラインが大半の中で会場開催を選ぶと、それだけで目立つ側に回れます。
その代わり、移動の手間をかけてでも来る理由を、告知の中ではっきり示す必要があります。
会場に来る理由は「交流」でした

では、各社は来る理由をどう作っているのでしょうか。
同じイベントの重複登録をまとめた会場開催111件を、形式で分けました。次の図を見てください。

いちばん多いのは、講演やワークを中心にしたセミナー・勉強会で、64件(57.7%)でした。複数の講演を並べるカンファレンスが22件、参加者同士の会話を中心にした交流会・ミートアップが17件です。
目立ったのは懇親の時間でした。111件のうち46件(41.4%)が、講演のあとに交流会か懇親会を付けています。
セミナー・勉強会に限っても、64件中22件が懇親の時間を設けていました。登壇者や他の参加者と直接話せる時間を、会場に来る理由として打ち出しています。
会場に来てもらう理由は、講演の中身より「人と話せること」でした。
定員は40名以下が中心
規模も見てみました。定員が書かれていた8件のうち、7件が40名以下です。
10名、20名、30名、40名といった少人数の勉強会や交流会が並び、100名を超えるのは1件だけでした。「少人数制」とだけ書かれた告知も3件あります。
参加費は、金額が分かった34件のうち79.4%が無料でした。有料の7件のうち3件は交流会で、3,000〜8,000円です。
他社の多くと同じ形から始めてみませんか。

交流会を付ければ、どの業界でも会場に人が来るんですか?

業界で差が出ました。製造・物流は告知19件のうち、会場開催が0件です。

製造業の人は、会場に出てこないってことですか?

いいえ。接点が別の場所にありました。次の章で見ていきます。
IT・ECは会場へ、製造は展示会へ

業種によって、会場の使い方は違うのでしょうか。業種タグごとに、告知数のうち会場開催の割合を並べました。次の図を見てください。

会場開催の割合が高いのは、IT・SaaSの16.7%と、EC・通販の15.1%でした。
EC・通販では、事業者同士の交流会や、モール運営やSNSでの販売を扱う勉強会が開かれています。
採用・人事は、会場開催の件数こそ30件で最多です。ただ、305件の告知の中での割合は9.8%にとどまります。
オンラインのセミナーが非常に多く、その一部が複数の都市を回る会場開催になっている、という形です。
意外だったのは製造・物流です。19件の告知があったのに、会場開催は0件でした。
製造業の接点は展示会にありました
製造業の会社が、会場に出ていないわけではありません。
東京ビッグサイトが公開している11〜12月の開催予定から、入場区分に「商談」を含む展示会98展を集めて分野で分けました。次の図を見てください。

建築・住宅・不動産が24展、食品・飲料・農業が22展、製造・素材・技術が21展でした。この3分野が上位に並びます。
展示会は水曜から3日間が標準
98展の日程は、驚くほど揃っていました。
98展中89展(90.8%)が水曜に始まり、80展(81.6%)が3日間の会期です。開場は78展が10時、19展が9時30分でした。
入場料は、無料または事前登録で無料になるものが73展(74.5%)です。当日のみ1,000〜2,000円がかかる展示会も10展ありましたが、どれも事前登録をすれば無料になります。
同じ週の水曜から金曜に、関連する複数の展示会が同時に開かれる形も多く、会期の組み合わせは16通りしかありません。
来場者は1回で複数の展示会を回れます。出展する側にとっては、関連分野の出展社が同じ日程に集まるということです。
出展を決めたら、事前登録の案内を自社の見込み客に送ることが最初の集客です。登録の締切と手順を告知メールに書いておくと、来場の後押しになります。
交流会は金曜の夕方に集まります

次は、いつ・どこで開いているかです。
会場開催111件の曜日は、木曜が37件(33.3%)、水曜が29件(26.1%)でした。火曜と金曜は18件ずつ、月曜は8件です。
土曜は1件だけで、日曜はありませんでした。BtoBの会場イベントは、ほぼ火曜から金曜に開かれています。
開始時刻が分かる83件では、17時以降に始まるものが36件(43.4%)ありました。12〜16時台は34件、午前は13件です。開始時刻で最も多かったのは18時台の17件でした。
形式ごとに見ると、時間帯ははっきり分かれます。次の図を見てください。

交流会は、開始時刻が分かる15件のうち11件(73.3%)が17時以降でした。曜日は金曜が6件で最多です。
仕事を終えてから参加し、そのまま懇親に移れる時間が選ばれています。
カンファレンスは逆でした。11件中7件が12〜16時台に始まり、1件を除いて日中に収まっています。
夕方の会は、仕事を終えた人から順に着きます。開場から講演開始までに受付の時間を取っておくと、進行が崩れにくくなります。
開催地の3分の2は東京都
開催地は、告知から都道府県が分かった79件で数えました。

東京都が52件(65.8%)、大阪府が12件(15.2%)でした。続く福岡県5件、愛知県4件を足すと、4都府県で92.4%になります。
カンファレンスは、開催地が分かる18件のうち17件が東京都でした。大きなホールを押さえる形式ほど、東京に集まっています。
反対に、東京都以外の27件のうち12件は採用・人事のセミナーでした。同じ内容を複数の都市で開く巡回型が、地方開催の中心です。
地方で開くなら、大阪・名古屋・福岡のいずれかで、東京と同じ内容を続けて開く形が組みやすいと考えます。
告知に「大阪開催」のように都市名を入れる例も多く見られました。地方の参加者に「自分ごと」だと伝える工夫になっています。

日時と場所が決まれば、あとは告知を出すだけですよね?

出す時期と書き方にも、相場がありました。

オンラインと同じ感覚で出したら、だめなんですか?

会場開催は、オンラインより早めに届いていました。
告知は3週間前、件名に「会場」

最後に、集客の進め方です。
会場開催の告知が、開催日の何日前に届いたかを数えました。次の図を見てください。

中央値は19日前、平均は20.4日前でした。105件のうち65件(61.9%)は、開催の2週間以上前に届いています。21日以上前も50件(47.6%)ありました。
オンラインが大半を占める10月のセミナー告知410本では、最初の告知から開催までが平均14.0日でした。移動の予定を組んでもらう会場開催は、それより早めに告知を始めているわけです。
件名で「会場開催」と伝える
告知の書き方も見ておきます。
読み手の受信箱の中で、会場開催の告知は少数派です。最初の章で見たとおり、8〜9月に届いたメルマガでも、展示会・リアルイベントの告知は483通中20通(4.1%)でした。
オンラインの案内が並ぶ中で、会場で開くこと自体が目印になります。ただし、開いて読まないと会場開催だと分からない告知では、その目印が生きません。
告知に「大阪開催」のように都市名を入れる例が多かったのも、そのためだと見ています。
件名か冒頭に「会場開催」と都市名を入れて、ひと目で分かるようにしましょう。
開催の直前には、リマインドと入館の案内を送っておくと、当日の受付も落ち着きます。
▼リマインドメールの送り方は、こちらの記事で詳しく書いています
セミナーのリマインドメールは当日の朝が効く|送る本数とタイミング

相場は分かりました。結局、何から決めればいいんですか?

自社の業界が、自社の会と展示会のどちらに向くかからです。

自社の会なら、そのあとは形式と日時ですね。

はい。手順にまとめたので、上から順に決めてみてください。
会場イベントを企画する手順

ここまでの相場を、自社の企画に当てはめてみましょう。
決めることは、どこで会うか、どんな形で開くか、いつ告知するかの3つです。オンラインが8割を超えるいま、会場に来てもらう理由は「人と話せること」でした。形式と日時は他社の相場に合わせ、懇親の時間で差をつけるのが始めやすい組み方です。
企画を始める前のチェック手順
- 自社の業界が、自社主催の会に向くか、展示会に向くかを決めます。製造・建築・食品向けなら、先に業界の展示会の会期を確かめます。
- 形式を決めます。セミナーなら定員20〜40名で組み、懇親の時間を付けます。
- 日時を決めます。交流会は木曜か金曜の18時台、カンファレンスは水曜か木曜の日中に置きます。
- 地方で開くなら、大阪・名古屋・福岡から選び、東京と同じ内容で続けて開きます。
- 告知は開催の3週間前に始め、2週間前までに2本目を送ります。件名か冒頭に「会場開催」と都市名を入れます。
- 前日と当日に、リマインドと入館の案内を送ります。
- 展示会に出展するなら、事前登録の手順と締切を見込み客へのメールに書きます。
よくある質問
BtoBのセミナーのうち、会場で開くものはどれくらいありますか
形式が分かる告知786件のうち、会場開催は113件(14.4%)でした。残りの85.6%はオンラインです。対象は2026年10〜12月に開催されるBtoBのセミナー告知です。
BtoBの交流会は何曜日の何時に開くのが一般的ですか
交流会は、開始時刻が分かる15件のうち73.3%が17時以降に始まっていました。曜日は金曜が6件で最多です。会場開催全体でも開始時刻は18時台が最も多く、土日の開催は111件中1件だけでした。
会場開催の告知はいつから始めればよいですか
開催の3週間前に初回を出すのが目安です。今回の会場開催の告知は、開催日の中央値19日前に届いており、61.9%が2週間以上前でした。2週間前と前日にもう一度送る組み方をおすすめします。
まとめ
今回いちばんの発見は、会場に人を呼ぶ理由が「交流」だったことです。オンラインが8割を超える今、会場で開くこと自体が目立つ材料になります。
最後に、要点をもう一度だけ並べます。
- 会場開催は告知の14.4%で、オンラインが8割を超えています。
- 会場開催の41.4%が懇親の時間を付け、交流会の7割は17時以降に始まります。
- 製造・建築・食品の接点は、業界の展示会に集まっています。
次に会場イベントを企画するときは、まず講演のあとに、参加者同士が話せる時間を足すところから試してみてください。
ムジンでは、BtoB企業のセミナーの企画から集客メール、共催先の調整、当日の運営までを支援しています。会場開催のセミナーや交流会を初めて企画する場合も、他社の開催傾向をふまえて日程と形式から一緒に組み立てますので、セミナー支援サービスをご覧ください。
調査の方法
- 対象は、BtoBのマーケティング・営業支援の分野を中心に、各社から届いたメルマガと企業サイトに載ったセミナー告知のうち、開催日が2026年10月1日から12月31日の930件です。集計は2026年11月3日時点です。
- 会場・地名・交流会などの記載がある149件は、1件ずつ読んで会場開催かどうか、形式、開催地、参加費、定員を判定しました。
- 会場開催と確認できた113件は、重複登録をまとめると105件です。Peatixの個別イベントページで見つけた6件を加え、111件として分析しました。
- 業種タグは、告知ごとに対象読者の業種として付けたもので、1件目のタグで数えました。
- 展示会は、東京ビッグサイトの公開の開催予定から2026年11月5日から12月18日に始まる110展を集め、入場区分に「商談」を含む98展を対象にしました。同時に開かれる構成展は1展ずつ数え、分野はムジンが展示会名と説明文から分けています。
- 全体の傾向を見るための集計で、主催企業の社名やイベント名・会場名、告知の件名・本文の実物は掲載していません。
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